茨城県牛久市にある東日本入国管理センター、また、ひたちなか市にある更生保護施設・有光苑と茨城就業支援センターを視察しました。
東日本入国管理センターでは収容されている外国人に対する実際の処遇の状況等を見ましたが、日中の一定時間、居室扉を開放して、被収容者同士が相互に行き来することが可能であったり、被収容者が自由に外部に電話をかけることができる等、可能な範囲で被収容者の自由に配慮した処遇を行っているとの印象を受けました。また、職員が毅然と業務に励んでいる一方で、人権に配慮しながら被収容者と接しているとの印象も強く受けました。今後とも医療体制の充実を含めて、被収容者の人権を尊重しながら適正な職務を行うことができるように取り組んでいかなければならないと思いました。
更生保護施設・有光苑は明治32年創立という百年以上の長い歴史と実績を有する施設です。この施設の役職員の方々からは、行き場のない出所者たちの自立や社会復帰の推進に対して相当な熱意を持って取り組んでおられることが伝わってきました。
茨城就業支援センターでは就農意欲のある刑務所出所者たちを受け入れ、就農による自立の事例を着実に積み重ねている様子が窺われました。まだ数々の困難がありますが、出所者等の社会復帰はもちろん、農業の担い手育成にも少なからず寄与する先駆的な取り組みではないかと感じました。
関係省庁や地元の方々のご理解、ご協力をいただきながら、農業訓練、就農支援等を通じて、このセンターで立ち直りを目指す刑務所出所者等の社会復帰支援に一層尽力していきたいと思っています。
刑務所出所者たちをいかに社会復帰させていくかということは、始めればトントン拍子でうまくいく、ということばかりではありません。失敗例も多々ある等、取り組んでおられる方々のご苦労は並大抵のことではないと思いますが、その中から本当に社会復帰が進んでいく事例も生まれてきていて、関係者のご努力に心から敬意を表したいと思っています。
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