法務省矯正局で再犯防止に向けた総合対策の一環として少年の再非行防止に資するため、我が国で初めての調査ツール、法務省式ケースアセスメントツール(MJCA)を開発し、少年鑑別所において運用を開始しました。
このツールは少年鑑別所に入所した少年の再非行の可能性等を把握するため、少年鑑別所の心理技官が少年の生育環境、問題行動歴、保護者との関係、社会適応力等の領域について、それぞれ複数の評定項目の該当性につき専門的な視点から領域ごとに点数化するとともに、保護者との関係性の調整や社会適応力の向上等、何を目標として働き掛けをすれば再非行防止ができるのかという処遇方針を明らかにするものです。
例えば、適切に自己表現ができず孤立しやすいことが課題と評価される場合には、少年院においてコミュニケーション能力の向上を含めソーシャルスキルトレーニング等によって対人スキルの向上に重点的に取り組むことが考えられ、仮退院後も職場での人間関係等に特に留意し、保護観察官等から助言を与えることが考えられます。
このツールを用いて、精度の高い調査、鑑別を実施することで少年院や保護観察所等におけるより効果的な教育や処遇の充実につなげる他、その効果の検証に活用することによって少年の再非行防止に向けた施策の充実に取り組んでいきたいと考えています。
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