昨日、安倍総理より消費税を8%にするという正式の発表があり、大変よかったと思うとともに、よくここまで来たなと思っています。
しかし8%だけで終わるわけではなく、10%を当然視野に入れて進んでいかなければなりません。今までの議論を見ていますと、8%に持っていくだけで頭がいっぱいになっている印象がありますが、少し視野を広くして10%までどう持っていくのかという視点が必要なのではないかと思っています。
現在の高齢化、長寿化は国民の皆さんの努力と、そして政治も頑張った、その結果だろうと思います。しかしその裏返しで、当然のことながら社会保障負担が極めて重くなってきました。そして、社会が豊かになれば人々の価値観も多様化し、そのような中で少子化という現象も起こり、長寿化、少子化という中で社会構造は大きく変わってきました。社会構造の変化に対応した税制の変革や負担の在り方の見直しが当然なければいけないのだろうと思います。自民党は野党の頃から、また前の与党時代からそのことをずっと考えてきました。
社会保障に安定した財源を充てていくことは当然誰もが指摘することでありますが、併せて財政出動を押え、支出の半分を公債で賄うということではどうしても財政は硬直化して、本当に「ここにお金を使いたい」「新しい政策を打ち出したい」という時にフリーハンドが持てないという状況が近年続いてきました。もちろん、消費税を上げることによってすぐフリーハンドが大きく回復するというものではありません。しかし、徐々にフリーハンドを使えるようにして、これを永続的な成長に結び付けていくようにしなければならないと思います。
結局、社会保障は消費税という安定財源を用い、全体が少しずつフリーハンドを持てるようにしていく。そのような中で着実な成長を図っていかないとこれだけの長寿社会は維持できないだろうと思います。それが少し動き出してきたということは大変結構なことだと思います。
近々開かれる臨時国会ではどういうことが焦点になっていくのか、まだ予断を許しませんが緊張して臨みたいと思っています。
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