昨年、自民党総裁を退任した後、国家国民のために役立ちたいという思いから仲間とともに立ち上げた勉強会、「有隣会」のお披露目の会を開催しました。大変多くの方にご参加をいただき、有隣会を立ち上げた思いをさらに強くすることができました。 この会での私の挨拶を本日の谷垣日記とします。
有隣会の顧問、谷垣禎一でございます。
まず、何よりも有隣会の最初の大きな集い、大勢の方にお出でをいただきまして、本当に心強い思いでございます。心から皆様に感謝を申し上げたいと存じます。
それと同時に、私、3年間、野党自民党の総裁を務めさせていただきました。今から考えますといろいろ苦しいこともたくさんございましたが、昨年の12月の総選挙、皆様のお陰で自民党はあちこちで勝たせていただきました。
有望な新人もたくさん皆さんのお力で当選を飾らせていただきました。また、3年10カ月前の総選挙で、残念ながら敗れて臥薪嘗胆の日々を送っていた我々の同志にも皆様方から大きなお力をいただいて、国会に彼らが戻ってきました。
今、そういった若い方々が水を得た魚の如く、安倍政権の下で仕事をしている姿を見ますと、私、ホッとするのは早いと自分に言い聞かせつつ、正直言って「ああ、よかったなあ」と思っております。もし、昨年の総選挙で負けるようなことがあったら、「谷垣が総裁なんかやっていたからこうだったんだ」、と言われるのは必定でございますから、このように政権に戻ることができたということで、皆様方に本当にお世話になりました。このことを心から、心から御礼申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
ただ、自民党を勝たせていただきましたけれども、私はまだまだ自民党がそっくり返れる時ではないと思っております。脇を締めていかなければいけません。幸いに今、安倍総理、一生懸命やっていただきまして、かなり気分は変わってきたと思います。
しかし、この気分が本当に実際の経済やいろんなもので裏打ちをされるかというと、まだそこまでいっていないと私は思います。また、秋には処理をしなければならない問題が目白押しでやってくると思います。その時に、「なるほど自民党と公明党が連立して、政権に戻って、政治が安定してきたなあ」と皆様に思っていただけるようなことをしなければならないと思っております。
そのためには今、行われている都議会議員選挙に勝ち、そして参議院議員選挙に勝って、ねじれを解消して、懸案を処理していかなければならないと存じます。
経済に関しましては、もう今、バーナンキ・アメリカ連邦準備制度理事会議長が何かおっしゃるといろんなふうに動きますから、内閣の中で何人も経済情勢、金融情勢、為替の水準をしゃべる人間がいてはいけないと思います。何とか、安定した、しっかりしたものに持っていくように我々はまだ脇を締めて進まなければなりません。
もう一つ、中国や韓国との関係もなかなか難しゅうございます。すぐに全部がうまく解決できるとは、私は思っておりません。いろんな問題があって簡単ではないけれども、日本の国益はしっかり守っていかなければならないけれども、長い目で見て、中国や韓国との関係は大事にしていかなければならないと思う人間が集まっているのが有隣会でございます。
このような考えを基にいたしまして、一番大事なことは、民主党はまとまれずに相当四分五裂になりましたが、自民党は安倍総理を中心に、一致結束して安定した政治を作る。そのために有隣会も頑張るぞ、ということではないかと私は思います。
どうぞ、私たちをまたお励ましいただき、そして、お目だるいことがありましたら、ご叱声をいただきますように心からお願いを申し上げまして、お礼のご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
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