自民党は過半数を大きく超える議席をいただき、政権奪還を果たしました。
私が総裁職にあった三年間、とにかく政権を取り戻すことが自分の使命だと思ってやってきました。最後は安倍総裁にバトンタッチしましたが、政権を取り戻す結果が出なければ、三年間何をやっていたのだろうということになるので、ここまで来てほっとしているのが正直なところです。
この選挙、自民党の大勝利は本当によかったのですが、非常に振幅の大きい結果を見ていると、また次に逆に振れてはたまったものではありません。そうならないために我々は相当努力しなければならないと思います。
今回、私は全く燃えない選挙という印象が強いです。自民党が大いに評価をされて勝ったというよりも、民主党が自壊した感じの選挙でした。色々なことがありましたが、なかんずく最後は彼らが四分五裂になり「これは駄目だな」と有権者が思ったことが一番の原因ではないかという感じがします。自民党にはいろいろな議論があっていいし、また、なければいけないのだけれども、最後は一本にまとまるということがないと同じことが起こってしまうと思います。
昭和55年の総選挙は、大平総理が不信任案可決を受けて解散して、途中で亡くなった選挙でした。その前の昭和54年の総選挙後は福田・大平で40日抗争をやりました。だから私が議員になったころは、「党内抗争はやりすぎると国民から愛想を尽かされる」と先輩からよく聞かされました。麻生内閣の末期にもやや似たことがありましたが、今回民主党でおこったことはまさに私が先輩から聞かされた、「党内抗争があまり熾烈になり、繰り返していると国民から愛想を尽かされる」ということじゃないかと思います。
ですから、勝利に浮かれることなく、脇を締めてやっていかないといけないと思います。
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