三党合意に基づいて、税と社会保障の一体改革関連法案が成立しました。三党合意はあるにも関わらず、今まで民主党の執行部は陰に陽に審議の引き延ばしをはかるという大変不信な動きがありましたが、ここまで来たことに対して関係の皆さんの努力を心から多としたいと思います。
しかし、自民党はもともと消費増税を公約にもして参議院選挙を戦った経緯がありますが、民主党にとってみれば、消費税についても、社会保障の面でもマニフェスト違反であることは明らかですから、自民党は当初、先に信を問うてから一体改革等をやるべきだと主張しましたが、三党合意の過程で我々の社会保障の考え方も民主党は飲みましたので、その点は我々も考えを撤回して、成立したら信を問うべきであるとして三党合意をしたのです。
総理自身も、仕事を終えたらいずれ信を問わなければならないということは明確にしていたわけですから、成立した以上、国民に信を問い、そしてしっかりした体制の下で、この三党合意を実施していくということでなければならないと思います。そのような体制の刷新なしに「マニフェスト違反」という傷を背負ったまま、三党合意を実質化していくことは難しいと私は思っています。ですから、これからは信を問うことを徹底的に求めていきたいと考えています。
法案が成立する最終局面に来て、内閣不信任案が出てくるという場面もあり、非常に悩ましかったのですが、総理が「近いうちに解散をして信を問う」ということを明確にして、我々もそこを乗り切ったのです。総理がそのような厳しい局面で「近いうちに解散をする」という言葉をはかれたということは極めて重いことであり、これは必ず現実化していただけなければなりません。
我々の三党合意に臨む基本的な姿勢としてマニフェスト違反の片棒を担ぐつもりは一切ありません。したがって、法案が成立した暁には信を問うというのは当然であります。
竹島は国際法上も我が国の領土です。李明博大統領が竹島に行かれたということは極めて遺憾なことであり、政府は直ちに強く抗議をしなければいけません。そして、ソウルにいる日本の大使を召還して、しっかりと事情を確認する必要があると思います。
これまで様々な方が努力して日韓関係を改善しようとしてきました。そして日韓関係が随分進んできたのですが、今回、李明博大統領が竹島に行かれたことは、そのような過去の努力を大きく否定するものだと私は思っています。
上で述べたことを基本に、我が党としてもこの事案に対する抗議声明を出しました。(※下記参照)
事柄は竹島に留まるわけではありません。至る所でこのような問題が起こってきているのです。これは民主党政権が国家観を欠いていて、外交の基本姿勢というものが見られないというところからこのようなそしりを受けているのではないかと思っています。
したがって、民主党政権にもはや国政を進めていく力はなくなっているのではないか。内政面だけではなくて、外交面でもそのようなことが露呈してきたというのが今度の事案であろうと思います。
また、民主党の政治家の中で適任者がいなかったからか、民間人ながら専門家としての見識を期待されて入閣した森本防衛大臣が、この問題に関して「韓国の内政問題」という趣旨の発言をしたようですが、このような愚劣な発言をするとは私は信じられません。
直ちに国会に召還して真意を確かめて、もし報道で伝えらているようなことが真実であるとすれば、問責などに値することではないかと私は考えています。
この発言に対しての処理を中途半端にすると、日本の国会はこういうことをそのまま放っておくのかという、外交上の悪しきメッセージになってしまうと思っています。
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