社会保障と税の一体改革に関する特別委員会の審議は今日で総括的質疑が終わりました。与野党間で日程の協議もかなり整理が進み、地方公聴会等々も見えてきたというところです。そのような意味で審議は進んでいます。しかし審議の中を見ていますと総理はこの一体改革に政治生命をかけると言い、あるいは閣僚の言葉は躍るけれども、それに伴う具体的な行動が見えてくる状況はありません。総理からどういうメッセージが野党に対して出てくるのか、そういう観点から私も注意深く審議を見ていますが、今のところ明確なメッセージはなく、どちらかと言えばクリンチしてなんとかダウンをしないようにしようという作戦であるように見ています。
かねがね私が指摘している通り、社会保障と税の一体改革については二つの問題点があります。
一つは、「国民との契約」と言ったマニフェストで消費税というのが書かれていません。むしろあの時、当時の鳩山代表や野田総理を含む主要閣僚として現在この問題に責任を持っている方々、押し並べて「消費税は必要ない」と明言して選挙をしたわけです。したがってこのケジメをどうつけるかという問題が基本的にあります。
もう一つの問題は中身の問題ですが、消費税について細部の制度設計に至ればいろいろと議論がありますが、大きな方向は違うものではありません。しかし、社会保障の内容については極めて大きな開きがあります。新年金制度も実現不可能なものであります。後期高齢者制度の廃止を一体どのように進めるのか。子ども子育て新システムの取り扱いをどうするのか。非常に大きな意見の隔たりがあるわけで、しかも総理や主要閣僚からは我が党の主張を大幅に取り入れてもいいかの如き発言が飛び出しますが、これに対して与党内から非常に大きな反発が出ているというのが現状です。
それに加えまして、問責二閣僚はそのまま。衆議院選挙区の一票の格差是正のために幹事長・書記局長会談が行われましたが、前へ進める意思が全く見えない。こういう中で総理の実行力は欠如し、その覚悟は見えない。そして周辺の状況整理もさっぱり進まない。
こういう状況では賛成することはできないということをはっきり言っておきたいと思います。
また、会期末までに総理が小沢元代表と会談をするということでありますが、政治生命をかけるという言葉に相応しい決断が見えなければ、自民党はあらゆる手段を講じて、その責任を追及していかなければいけないと考えています。
2020年オリンピック開催地選考のためのIOC理事会が行われて、東京が立候補都市として選ばれました。大変うれしく思っています。
来年9月の開催地決定に向けて、皆さんの努力をお願いしたいと思っています。
招致に成功すれば日本で56年ぶりの開催。前回の東京大会の時は自民党政権でしたが、努力をして開催をしたものでありました。
昨年、日本は大きな震災を経験しましたが、2020年には震災の復興を世界中の方々に見ていただけるように、そういう私たちの目標を設定する上でも極めて意義のあるオリンピックではないかと思っていますので、是非最終的な良い結果に向けて努力をしていただきたい。我々も応援をしたいと考えています。
|