野田総理はTPP交渉参加表明をしましたが、非常に情報も不足していますし、国民の不安を取り除く手立てもまだほとんど議論されていない段階での表明は拙速であり、反対であります。
総理の表明の意味についても、参加する、いやそうではないと、政権の中でもいろんな受け止め方があること自体、国民の不安を増幅することになると思いますし、腰だめの意思決定であると言わざるを得ません。
8割近くの国民が、説明が不足していると思っているとの調査結果があります。一つは、一体何のためにTPP参加をするのか、どういうところと連携関係を作っていくのかということがあります。政府はアジア太平洋の潜在力を取り入れたいと言っていますが、果たしてそういうことになっていくのかどうかの明確な説明がないのです。もう一つはTPPをやることになると、我が国の国民生活の多様な部分に影響が出てくると思います。そのようなところにどのような手立てを講じていてくのか、その覚悟もはっきり示されていない。しかも交渉の対象にはならないと言っていた医療関係もどうやら違うことであった。重要な情報を隠しているのではないかと思われることすらあります。国民の間に憂慮する声が巻き起こっているのは当然ことだと思います。こういった点を我々は国会で十分質していかなければならないと思います。
また、現時点では国論が分かれているわけです。国論を二分させる方向で議論を進めていくのは愚劣だと思います。できるだけ国論の一致点を作っていくのが政治の仕事でもありますが、それには十分な情報を開示して、議論を進めていくということが必要です。それが果たされていないから、このような国論の分裂を生んでいるのだと思います。政府は十分に情報を提供し、国会で十分議論していくことが国論の一致点を作っていくのに不可欠だと思います。そういう意味でも今の参加表明はあまりにも唐突であったと私は考えます。
宮城の県議選挙の結論が出ました。全59議席に対して、自民・公明で過半数を得ることができ、自民系の無所属の方もかなり議席を得ています。村井県政の安定した基盤ができたと思います。民主党は議席を減らしました。この背景として、被災地の皆さんの民主党政権の復旧復興に対する姿勢への不信感や深刻な危惧があるのではないかと思っています。
復旧復興に向けて一生懸命やってこられた村井県政にしっかりした基盤ができたことはこれからにとってプラスだと思っております。
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