自民党は野党になってから地域住民の方々の生の声“なまごえ”を聞かせていただく「ふるさと対話」をやってきました。先週末、300回目のふるさと対話として、被災地の現場の声を聴かせていただくために岩手県久慈市に行ってきました。参加された方々から、依然としてガレキが山積する現状に加えて、遅々として復旧・復興が進まないことへの不満あるいは不安を聞きました。自民党として、できる限りの考えていることや実施していることを話したわけですが、結局のところ、菅政権がその最大の障壁となっている現状に対して、私としても誠に情けなく、非常に歯がゆい思いがしました。
自民党は、やれることは鋭意やっていこうということで、様々な活動をしています。復旧・復興に取り組むために、参議院には原発関係の賠償をするための、いわゆる「仮払い法案」を議員立法として提出し、与野党間で協議を重ねてきました。しかし結果的に協議が整わず、民主党は反対する方向と聞いています。仮にそうであるならば、大変残念なことで、厳しい暑さの中で、被災地は不安と混乱を抱え続けています。我々自民党は被災地の方々から聞いた声を、議員立法等を通じて、責任を持ってその早期実施を進めていきます。
昨今の原発を巡る菅総理の発言は、民主主義と法のプロセスを無視した菅総理の独断と言っても良いのではないかと考えます。日本のエネルギー政策に対する政府・与党内での議論もない。脱原発への明確な代替案やプロセスの提示もない。電力の安定的な確保に対する具体的な説明もない。退陣を表明している総理大臣が大きな政策変更を伴う問題について、このように安易に発言する。都合の良い時だけ会見を開いて、原発に対する国民の不安を利用して、自らの延命を図ろうとする。まさに国民不在のパフォーマンスです。朝令暮改の場当たり的なエネルギー政策では、電力不足に対する国民生活の不安と混乱を助長するだけでなく、既に政治リスクによって国内拠点の維持がだんだん限界に来ている。産業界の悲痛な声が聞こえてきます。そういう産業界の更なる不信を招き、海外流出による深刻な産業空洞化が、まさにギリギリのところに来ている。そのように自民党は考えています。
したがって、我々自民党は、電力供給の安定的な確保を図って、国民生活・経済活動の不安を払拭しなければならず、そのためにも中長期の視点に立った具体的な方針を示していかなければいけないと思っています。党内においても、原子力政策を含む日本のエネルギー政策のあり方に対してゼロベースで見直し、今後の具体的な方向性を示そうということで、連日、活発な議論を行っています。引き続き、各論点を深化させて、8月上旬にもその方針を示したいと考えています。
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