スタンダード&プアーズが日本国債の格付けをワンランク下げたことについて申し上げたいと思います。
菅総理は昨年来、税制抜本改革を含めた財政再建に取り組むかのような発言をされたこともありましたが、そのあと批判を受けるや撤回し、最近、また少し動き出しているようではありますが、民主党政権がスタートして以来の定見のない、腰の定まらない態度に対して、本当に日本国政府は財政規律を維持していく熱意というものがあるのかどうか、このことに対する評価が今回のスタンダード&プアーズの決定だったのではないかと考えています。「一刻も早く無策のマニフェストにけじめをつけて財政に取り組め」というメッセージと私は受けとめました。
これに対して菅さんは、「自分はこういうことに疎いから」というコメントをされました。かつて、何度か日本国際格付けが落ちたことがあります。ムーディーズが格付けを落とした時に大蔵大臣は宮澤喜一先生でした。私は大蔵政務次官でしたが、宮澤大臣が非常に緊張感に満ちた対応をされたことを記憶しています。疎いという言葉の意味については弁明をされているようですが、疎いという言葉は具体的な情報に接していないという意味では普通使いません。疎いというのは「自分は良く知らない」「こういうことには自分は通じていない」という表現だろうと思います。
こういうときはトップリーダーの気合いに満ちた対応が必要であって、今回は非常に大きなマイナスを生じたと考えます。こういう方から協議をしたいと言われても、「はいそうですか」と言う気持ちにはなれないのが人情ではないでしょうか。
それに関連して、わが党は財政健全化法を出していましたが、これを取り下げたうえで再提出することにしました。若干技術的な修正も必要であったわけですが、それを委員会修正まで放っておかずに、こういう国債格付けの問題が起こった時にきちっと修文もして出しなおすことにしたいと考えました。
衆参代表質問が終わったところですが、菅総理の答弁は我々の質問に正面から答えていない。逃げの姿勢に終始している。また、あまりにもたくさんの答弁漏れがあり、答弁漏れを意図的にすることによって何とか逃げようという姿勢が明白でありました。また、答弁の内容も、右手で握手をして協議をしようと言いながら、同時に左手で横面をひっぱたくというような答弁が非常に多くありました。不誠実な答弁が多かったと思っています。
そして財政再建、税政抜本改革に対する覚悟も見られない。国民を欺いたマニフェストへの反省もない。政治と金の問題に決着もつけられない。あるのは政権維持と権力への執着心のみ。こういうことではないかと思います。
こういう状況では、代表質問でも言ったように、一刻も早い解散総選挙を引き続き求めていかなければならないと感じました。
なお、わが党の政権公約については、日程を早めて3月中を目途として作成するように指示しました。
鳥インフルエンザの問題。島根県では比較的迅速に収束をしましたが、その後宮崎、鹿児島、愛知と養鶏の密集地帯に広がってきています。関係者の方々に改めてお見舞いを申し上げます。わが党も対策本部を立ち上げ、発生状況、政府の対応について報告を受けました。引き続き政府に対して情報収集と危機管理の徹底、迅速な対応を求めていきます。
日本海側を中心に豪雪被害が相次いでいます。地域住民の方にご苦労を謝するとともにお見舞いを申し上げたいと思っていますが、除雪費用が不足するという声がこのごろ強く聞かれるようになりました。これは地域の実情を無視した、事業仕訳による道路関係予算削減強行の付けが現れていると考えます。政府は各県の豪雪対策本部を通じて情報収集に努め、また自治体との連携連絡を密にして、国道の早期通行止め、あるいは高齢化集落の円滑な除雪等、地域住民の生活、地域産業の支援に全力を尽くしてもらいたい。このように申し上げたいと思います。
|