明日、臨時国会が閉会となります。
今国会は法案の成立が極めて少なかった。39パーセントを割っており、極めて成果の少ない国会でした。これは政権側が基本的にどういう設計図を描いて国会に臨むのかというような見取り図も全くなく国会を始めたということが主たる原因であると私は思います。まことに無責任であったと感じるわけですが、そういう中で菅総理から、「野党にとっては与党を妨害するのが日々の仕事である」という発言があったのは誠に不見識きわまる発言でありました。抵抗をこととしていたかつての野党、その体質でものを言っているとしか思えないわけで、国会審議の停滞を野党の責任に押し付ける。海図なき航海をしておいてこういうことを言うのは誠に見識を疑うとしか言いようがありません。重要法案の審議入りを求める一方で、会期を延長して徹底的に議論しようという姿勢も皆無でした。熟議の国会といいながら、そこから逃げている。全くの自己矛盾としか言いようがありません。
岡田幹事長に至っては、今国会中に小沢元代表の国会招致を実現するとの自らの発言、自らの約束を反故にされたということであります。真剣に国会の中の議論と向かい合っていこうという姿勢が皆無であったのは誠に残念でした。
そういう中で政治とカネであるとか、尖閣問題、北方領土問題で迷走を重ね、主権と国益を著しく損ね続けた責任はこれは自ら問題解決に先頭に立って当たろうという姿勢が見られなかった菅総理の姿勢に起因するものです。
仙谷官房長官、馬淵国交大臣の問責決議が参議院で通りましたが、この問責決議の重さを十分に踏まえて。如何にして熟議を重ねていくかという徹底的な工夫、根本的な反省がなければ来年の通常国会は一層厳しいものになるということを認識してもらわなければならないと思っています。
この関係で日韓図書協定の国会承認が行われずに終わります。私どもも未来志向の日韓関係をつくっていくことは極めて大事だと思っており、この協定もそういう文脈の中で処理しなければならないと考えていました。政権与党は会期末になって駆け込みで承認を求めたわけですが、最初から分かっていたことですから、どういうふうにしたら審議の条件が整うか、もっと前広に考えてもらわなければいけなかったのだと思います。最終段階で駆け込みで承認を求めたということは、国会を延長してしっかり審議をしなければ解決のしようがなかったということです。そういう中で先ほどの菅さんの「野党の邪魔」という発言は誠に無責任な発言であるということも改めて申しあげなければならないと思います。
来国会で私どもはきちっと議論をして処理をしていかなければならないと思いますが、その中で韓国側に残る日本図書の問題なども整理をしていかなければならないと考えています。
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