昨日、新潟県の燕市に伺い、洋食器メーカー等の視察をしてきました。燕の洋食器は今までも円高等々があり、大変苦労をしていろんなことを試みてこられました。そういったところが、今何に悩んで、どうしておられるのか。まずここからよく視察をさせていただき、いろいろ知恵も得られたと思っていますが、なによりも、ものづくりにかける職人の魂といいますか、誇りを持って工夫をしながら、経済的に難しい中を乗り越えようとしてこられた、その姿に感銘を受けました。
しかしそれと同時に、なるべく政府の手などを借りずに、自分たちで生きる道を探していこうと、ぎりぎりの努力をされてこられた方々が、今経済的にも大きな曲がり角にあって、政府の姿勢がどちらの方向に向かっているのか、そのことがはっきり発信されないと、個々の経営者が頑張っていく方向性がなかなか出せないでいる。金融面であるとか税制であるとかの個々の政策の背景にある、政府の経済政策の方向性をしっかり出すことが、苦労されている方々に必要なのではないかという思いを強くしました。
私どもは先日、「当面の経済対策についての基本的考え方」というものを発表しましたが、これを基本に政調でも議論を詰め、今述べた全体としての方向性、それに加えて具体的な施策も打ち出していきたいと考えています。
昨日、民主党の代表選挙は昨日告示をされました。
告示にいたるまでに、かなり迷走とドタバタ劇が展開されたと思います。
何よりも大事なことは、日本経済あるいは日本社会は今非常に難しいところにありますから、しっかり議論をして、民主党政権はどちらの方向に日本の国民生活を引っ張っていくのかをはっきりさせる代表選挙でなければならない。野党としてそのように思います。しかし、今見ていますと、こういう国民生活の非常に厳しいときに必ずしも国民の生活第一、円高とか景気対策に対して、本当に政治空白を生んでいないのかという点では、私は大いなる危惧を感じています。
菅さんと小沢さんが立候補されましたが、両方の公約を拝見すると、菅さんは昨年の夏の衆議院選挙のマニフェストがいささか無理であったということをお認めになっているんでしょう。そこを修正していく方向が出ていますが、では、どこをどのような理由で修正し、やっていくのか。そのことを国民にもっとはっきり説明される必要があると思います。そして、消費税については参議院選挙のときは、おやりになるのかなと思ったわけですが、その後、腰砕けになっている。いったい本気でおやりになるのかどうか。このあたりもはっきりされる必要があるのではないでしょうか。
他方、小沢前幹事長の公約は、昨年の衆議院選挙のマニフェストは国民との契約だから、これは維持するという主張です、今までいろいろ財源を探す努力をされてきて、約束されたほど財源が出てきているわけではない。ということになると果たして、実現可能なのかどうか。こういう問題が当然出てきます。このあたりもきちっと説明をされる必要があるのではないでしょうか。さらに言うならば、これがこのままできるとおっしゃるのは、日本の経済社会の改革の基本的構造をはっきり理解されているのか。こういう問題が出てくるのではないでしょうか。
冒頭でも述べたように、わが党もこういう経済社会の危機に対応すべく具体的な議論を積み重ねて、きちっとしたボールを出していかなければならないと改めて感じた次第です。
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