参議院選挙公約を発表いたしました。
その冒頭に書きましたが、この目的とするところは、今、日本は内向きになって自信をなくしかけていますが、もう一度誇りと自信に満ちた国づくりをしたい。そして私どもは保守政治の原点に立って、守るべきものは守る。しかし、改革をすべきは改革をする。進取の精神を持った保守として国民に訴えていきたいということであります。
そして、なんとなく内向きになっている中で、今度のポスター、標語は「いちばん」としました。
かつて日本人は、治安でも我々の国は世界一治安のよい国だと思っていた。教育面でも、日本の教育は世界で一番ではないかと思っていた。もう一回あちこちで一番のものをつくり、若い人たちに誇りと希望、情熱を持ってもらえるようにしようじゃないか。こういうことが公約の基礎にある考え方であります。
この参議院選挙公約をつくるにあたり、もっとも気をつけたことは、マニフェストという言葉が今や、手垢にまみれた挙句にあたかも嘘の代名詞、詐欺の代名詞のようになってしまっているのはまことに残念なことでありますから、私たちの参議院選挙公約は、できることを書こう。それから、言いにくいことでも、やらなければならないことはきちっと言って行こう。このような気持ちでこの公約を作成しました。
公約の内容について、いくつか申し上げます。
まず第一に、これから三年間あらゆる政策手段をつくして経済成長をしていく、そして雇用をつくっていく。地域の活性化や国際競争力を強化していく、そしてがんばる人が報われる日本をつくろう。ばら撒きの手当よりも仕事をつくっていこう。これが第一であります。
二番目は、我が国は残念ながら、国際的に日本が活動する上での信頼の基礎を、普天間等々の処理で失ったところがあります。もう一回日本が国際社会で活動していくその一番の基礎である、国際社会における信頼を作っていこうではないか。そのことを日本だけがよければいいのではない。国際社会に対しても日本は果たすべきことは果たしていかなければならない。こういう言葉で表現させていただいています。
三番目に、今、多くの方が、恒久財源が用意されていないバラマキのマニフェストによって、日本がギリシャになってしまうことを心配しています。バラまきはすぐやめて、私たちはきちっと財源を確保し、財政再建にも目配りをしながらやっていく。このことをはっきりさせて公約を打ち出そうということであります。言い方を変えれば、今の世代だけがよければいいのではない。次世代にもしっかり目配りをしていこう。そして財源の裏打ちのある社会保障の充実で安心を実現していこう。ということであります。そういうことになりますと、消費税等についても、日本の現状をきちっと説明しながらその必要性を国民に訴えていかなければならない。これが三番目の柱であります。
こういったことの背後に、今年の党大会で作った平成22年綱領があります。個人の努力であるとか、創意工夫、あるいは自由、それに伴う責任等々、新綱領に謳われた保守の精神が公約の基本精神だということを改めて申しあげたいと思います。
また、この公約の作成にあたっては、一部の人が密室で作るのではなく、全議員、わが党の都道府県連、そして多くの国民の声も伺って作成しました。私どもは自信を持ってこの参議院選挙公約を国民の皆さまに訴えてまいりたいと思っています。
民主党も本日マニフェストを発表されるということですが、報道ベースでうかがうと我々のカーボンコピーのようなもの。だんだん、われわれの政策にすり寄ってこられたわけであります。普天間基地の移転先を辺野古沖だという、安全保障に関することだけではなく、マニフェストについても、あるいは税制等の考え方につきましても我々のコピーのようなものを出してこられる。こういうふうに理解をしています。
私が申しあげるまでもなく、国民との契約であると言っていた前回の民主党マニフェストでは、無駄がたくさんあるのだから、このマニフェストに含まれる数々のバラマキも、無駄を削ることで財源は簡単に捻出できるとしていましたが、ほとんど実行できなかった。今や、民主党の昨年のマニフェストが履行不能であるということは明確になってきましたが、そのことを正面から認めずに、裏口から新たなことを言われていくということは、どこかできちっと総括して、国民との契約が履行不能になったことを謝罪すべきではないかと感じているところであります。
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