事態が現職国会議員の起訴というところまで発展しました。
その中で民主党の小沢幹事長、鳩山首相の政治資金問題はますます不透明になり、まさに灰色ということではないでしょうか。
鳩山首相の2人の公設秘書、実質的に民主党を牛耳る小沢幹事長の、現職国会議員を含む3人の秘書ないし元秘書が、次々と起訴、逮捕される。政権のトップ2の周囲で5人の方が、逮捕、起訴されるという極めて異様な、深刻な事態になっています。これはお二人の監督責任、それから説明責任、そして道義的責任が厳しく問われる事態ではないかと考えます。
今回の小沢幹事長の不起訴処分、これは告発のあった土地購入代金4億円の不記載問題に限定して、嫌疑不十分ということで不起訴になったと理解しています。
小沢幹事長自身が銀行からの借り入れに署名をしている。また、その収支報告の概要の報告も受けていたということであれば、灰色といっても限りなくクロに近い灰色だという印象を持たざるを得ないわけです。これはしかし、小沢幹事長をめぐる大きな疑惑の一部分にすぎないわけで、10数億円に及ぶと言われる資金の不記載の疑惑、ゼネコンからの裏金による脱税疑惑ということが連日報道されています。この点については、検察は今後も事態の解明をするための捜査を続けていくものと考えています。
こうした刑事責任とは別に、政治責任、道義的責任の問題が厳しく問われなければならないわけで、国会においてこの解明が進められなければなりません。世論調査の結果を見ても、国民の約9割の方々が説明責任を小沢幹事長が果たしていないと考えていて、わが党としては早急な集中審議を求めていかなければならないわけです。
小沢幹事長は土地購入代金の原資についても、政治資金である、銀行借り入れである、たんす預金であるというように説明が二転三転していまして、それから不動産所有に関する確認書の偽装もあったという報道もあります。したがって、小沢幹事長自身の証人喚問を視野に入れていかなければならないだろうと考えています。
起訴された民主党の石川知裕議員に関しては、まずは石川議員ご自身がきちんと進退をお考えになるべきものだと考えます。それができないのであれば、過去の例にならって議員辞職勧告決議案ということをきちっとやらなければならないのではないかと考えます。
鳩山首相や小沢幹事長は、今まで検察の捜査中ということで、説明責任を逃げてこられたわけですが、こうなりますと、もうそういう理由は成り立たないわけで、鳩山首相がいまなすべきことは、小沢幹事長に対して国会で説明責任を果たせと促すことではないかと考えます。
残念ながら、民主党の議員は沈黙を守っていたり、逆に石川議員を擁護する動きがある中で、自浄能力がまったく発揮できていない。それどころか、自浄能力に逆行する動きがあります。
きちっと国会による事態の解明という点について、鳩山首相のリーダーシップが問われなければならないと考えています。
この問題とは別ですが、先日、民主党において予算審議に入っていないにもかかわらず、公共事業予算の個所付け(注)が発表されたとの報道がありました。
これについて、民主党は軽く考えているようですが、国の財政を処分、処理する権限は国会の議決に基づかなければならない、これは憲法83条・86条の要請ですので、今度の民主党の個所付け発表の問題は、憲法上の大きな疑義がある。これでは予算編成の政治主導というどころか、予算編成の政治利用であると申し上げざるを得ないと思います。
その他にも、幾人もの国会議員OBを総務省の顧問に就任させる等々、権力の私物化ということが目に余る。このことを強く申し上げなければならないと思います。
(注)公共事業の予算、補助金について、具体的な地域の個別事業に割り当てること。
|