今日は平成22年の年頭にあたって考えたことを申し上げたいと思います。
今、鳩山新政権のいろいろな政策展開、あるいは政治の展開を見てみますと、眼(まなこ)を大きく開いて将来までを見据えながら、私ども野党としても道を作っていく必要があるという感じを強くしています。
将来を考えるときの手掛かりは過去を振り返ることです。今からちょうど50年前、半世紀前、1960(昭和35)年、これは60年安保の年ですが、それと同時に池田勇人政権が成立して、いわゆる所得倍増計画を引っ提げて、日本の高度成長を軌道に乗せたという時代がありました。この資産倍増論は、設備投資が牽引して好循環を作り、あの日本の高度成長を確実なものにしたもので、日本の戦後政治経済史を振り返っても、記念すべき年であります。
それから50年経ち、今同じように眼を大きく開き遠くを見つめたさまざまな施策、政策展開が必要となっているという感を深くいたします。
50年前は、設備投資が牽引して、日本経済を引っ張って行ったのですが、現在必要なのは、いろいろなところでいろいろなことが言われていますが、おそらく環境投資や将来を支える人材への投資、言葉を要約して言えば、「未来への投資」というものを積極的に考えて、成長政策を大きく打ち出していくときではないかと思います。縮めて申しますと、「バラマキ」から「未来への投資」を、というようなことを大胆に構想する時期ではないかということを、年頭に感じたわけです。
今年は参議院選挙の年でもあり、既に日程が具体的に決まりましたが、18日(月)から通常国会が始まります。私どもは、この通常国会でいわゆる3Kと呼ばれている問題、景気、基地の問題、献金の問題、これらの問題を徹底的に議論して、自民党としても骨太の、徹底的な論争をしていかなければならないと思います。そのことが、参議院選挙についても、一番大きな意味を持つのではないかと思います。
それと同時に現在進めている参議院選挙の候補の選定、選挙の準備を進めないといけないと、年頭にあたって感じています。
昨年政権交代が起こって、政治のプロセスというものが、やや国民から遠いものになっていっているのではないかという感を深くしています。この参議院選挙で、我々は万全の努力をして、もっともっと政治と国民の距離を近づけていく形を作っていかなければならないと感じているところです。以上が新年にあたっての所感です。
2点目に、財務大臣が交代されましたが、私の知る限り予算編成を担当された財務大臣が予算審議を前にして交代されることは、記憶がございません。大変大きな問題であると思います。
菅・新財務大臣には、予算編成に自分は直接責任を負っていなかったからよくわからないという答弁が許されるわけではありません。しっかり準備をされて、万全の答弁を国会でなさっていただくように、私どもは要求していきたいと思います。
なお、藤井財務大臣の辞任は、健康上の理由ということです。
そういうことであれば、万やむを得ないと申し上げなければならないところです。
昨今の報道を見てみまして、私の印象は、財務大臣というお立場は、財政規律をきちっと守っていく責任者ですが、財源の手当てがほとんど考えられていないマニフェストの実施、いろいろ混乱が起こった時に、与党の幹事長室が頭越しに飛び出していくような要求、こういうものの狭間で大変心労を深められて、いわば犠牲となられたのではないかという印象を持っているところです。
それからもう一つ、小沢幹事長の資金管理団体の問題について申し上げなければなりません。
この問題について、小沢幹事長への事情聴取が近々行われるということが報道されていますが、これは鳩山首相の問題であれ、あるいは小沢幹事長の問題であれ、その説明が得心の行くものであると思っている方はゼロに等しいと申し上げてよろしいと思います。私どもは、この問題を次の国会で徹底的に追及していかなければならないと思いますが、明確な説明責任というものを果たしていただくことを要求していきたいと思います。
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