今日は、二つ申し上げたい点があります。
一つは、鳩山首相の元秘書が起訴された件です。
これは、極めて深刻な事態だと思います。今回の事件は、単なる虚偽記載ではなくて、長年にわたる巨額脱税・偽装献金事件ということですから、事件を他人事のように語る首相の態度というのは、真面目な納税者を愚弄していると言わざるを得ないと思います。首相は極めて厳しい責任の取り方を求められていると言わねばなりません。
特に申し上げたいのは、法的責任と政治的責任は別であるということです。かつての自らの言葉「秘書の疑惑は政治家の責任だ」ということでありましたから、かつての自らの言葉に従って、責任をきちんとお取りになるべきだということです。
もう一つは、政府税調で来年度の税制について、取りまとめをされたわけですが、結局、無理なマニフェストを作ったための財源探しに終始し、全体として税理論等々の整合性が極めて見られないものであったということだったと思います。
結局、民主党のかつての主張、税の組み換え等で20兆円捻出できるとか、7兆円捻出するとか、いろいろなことを言っておられましたが、それが全くと言っていいほど果たされていない。そういう民主党の主張が全くの空理空論、砂上に築いた楼閣であったということがはっきりしたということです。
いずれにせよ、このマニフェストが国民を愚弄した、もっと申し上げればマニフェスト詐欺というものであるということが明確になったわけでして、この責任をどう果たしていくか。国民に信を問うことも必要になってきていると申し上げたいと思います。
また、決定プロセスも極めて問題です。政府への一元化が、民主党のおっしゃる政治主導の金看板であったはずでありますが、政府への一元化どころか幹事長に一元化している。矛盾も甚だしいと申し上げたいと思います。
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鳩山首相の会見を拝見しました。会見を拝見して、鳩山首相の“Trust me”という言葉を信じる人は今や世界中誰もいないだろうと思います。
この会見では、新しい事実や具体的な説明は全くありませんでした。12億円ものお母さまからの贈与や3億円以上の政治資金の偽装、「これは秘書の一存でやった。自分は知らなかった」と、全て秘書とお母さまの責任にかぶせるという今までの説明を繰り返しただけです。いったい誰が納得できるか。白々しいと思うのが大方の方々の感想であるだろうと思います。
自らの責任についても、「他の議員と違って私腹を肥やしたわけじゃないから問題ない」と言っておられますが、この12億円の使い道を全く明らかにしないでおいて、このようなセリフをどうして吐けるのかということです。そして、「国民は理解できないだろうが、事実はこうだ」と言うのは、資産家の傲慢な、国民を愚弄した発言だと思います。ならば、国民に信をお問いになるべきだということになります。
苦しい状況でも真面目に納税している国民や中小企業を馬鹿にしているのではないか。
私のところに寄せられている多くの方のご意見は、「これはどう考えても大資産家の相続対策ですよ。その中には、長い年月が経って、時効が来たものもある。それにもかかわらず、贈与税払えば済むでしょうというのは、我々だったらそんなことでは済みませんよ」ということをおっしゃる方がたくさんいらっしゃるということを申し上げなければなりません。脱税して金を払えば済むというのは、誠に傲慢だということです。
それから、名前だけの会計責任者を選んだ首相の代表者としての選任・監督責任も明確になったわけです。こうなりますと、首相は即刻退陣、つまり内閣総辞職をされるか、さもなければ解散して国民に信を問う、このいずれかの道をお取りにならなければなりません。
そして、次の国会では、預金通帳、帳簿の関係資料の提出、あるいは元秘書、六幸商会社長等の参考人招致を求めて、鳩山金脈問題の全貌解明に全力を尽くしてまいりたいと思います。
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